文責 柔道整復 創健堂 院長 榊原孝文
これは人間の背骨を中心とした骨格模型です。背骨のことを医学用語では脊柱(せきちゅう)といいます。
脊柱:体の軸を支え、動きを与える精密な構造
脊柱は体の軸を支え、柔軟な動きを実現する重要な役割を担います。脊柱は、骨盤の上に積み重なった小さな骨、椎骨によって構成される、体の軸となる構造物です。
◆構造と機能
頭蓋骨から骨盤まで続く約40cmの長さで体の重さを支え、柔軟な動きを実現する重要な役割を果たしています。脊柱は、上から順に、頸椎(7個)、胸椎(12個)、腰椎(5個)に分類されます。それぞれの椎骨の間には、クッションの役割を果たす椎間板があり、衝撃吸収や柔軟な動きを可能にしています。
◆脊柱管と脊髄神経
椎骨の内部には、脊柱管と呼ばれる神経の通り道が形成されています。
この管の中には、脳から体全体に指令を送ったり、末梢からの情報を脳に伝える
脊髄神経が通っていて、それぞれ椎骨の間から枝分かれして、体の各部分に分布しています。
脳神経と脊髄神経を合わせたものを中枢神経といい脊髄神経から分岐し、椎骨の間から身体の各部に分布する神経を末梢神経といいます。
◆脊柱の形状
脊柱は、正面から見るとほぼ直線ですが、側面から見ると首、胸、腰の部分でS字状に湾曲しています。この湾曲は、衝撃吸収や体のバランス維持に役立っています。
また、各椎骨には、左右と後方に突起があり、筋肉が付着しています。これらの筋肉が協調的に働くことで、体を前後に曲げたり、左右にひねったり、回転させたりといった様々な運動が可能になります。
◆靭帯
さらに、脊柱全体を靭帯と呼ばれる一定の伸縮性をもつ組織が包み込み、椎骨が大きくずれないようにしっかりと保持しています。
◆背骨の歪みが引き起こす様々な症状
前述の通り、脊柱は体の軸を支え、柔軟な動きを実現する重要な役割を担っています。しかし、何らかの原因で背骨に歪みが生じると、神経が圧迫され、様々な不調を引き起こす可能性があります。
◆歪みの原因
背骨が歪む原因は様々ですが主に次のようなことが挙げられます。
外力によるもの
:交通事故や転倒などによる強い衝撃
姿勢の悪さ
:長時間のデスクワークや猫背など、偏った姿勢
筋力のアンバランス
:運動不足や筋力低下による筋肉のアンバランス
加齢
:骨や筋肉の老化による柔軟性の低下
ストレス
:精神的なストレスによる筋肉の緊張
◆症状
背骨が歪むと、以下のような症状が現れることがあります。
痛み
:首、肩、腰、背中、膝、太もも、ふくらはぎ等の痛み
痺れ
:太もも、ふくらはぎ、腕、手や足の先などの痺れ
倦怠感
:全身の疲労感
頭痛
:頭痛やめまい
内臓機能の低下
:消化不良や便秘など
これらの症状は、神経圧迫によって血行が悪くなったり、筋肉が緊張したりすることが原因で起こります。
◆予防と改善
背骨の歪みを予防するためには、以下のことに気をつけましょう。
正しい姿勢を意識する
:座っているときや立っているときは、背筋を伸ばして正しい姿勢を保ちましょう。
:椅子に座る時には、股関節、膝関節がそれぞれ90度に保たれるような座り方を心掛けましょう
適度な運動
:ウォーキングやストレッチなど、適度な運動を習慣化しましょう。
筋力トレーニング
:背筋や腹筋など、体の軸となる筋肉を鍛えましょう。
ストレス解消
:ストレスを溜めないように、リラックスできる時間をつくりましょう。
◆背骨の歪みは専門家に相談
背骨の歪みが気になる場合は、整骨院や整体院で専門家に相談することをおすすめします。
しかし、整骨院や整体院の中には、技術的に優れているところとそうでないところがあります。せっかく施術を受けるなら、技術的に優れているところを選びたいものです。
次のブログでは、整骨院や整体院を選ぶ際のポイントをいくつかご紹介します。